2013年07月29日

写憲で美文字

最近、「美文字」が流行っているらしい。書店に行ってもそれ系の書籍のコーナーまで出来ている。パソコンを使うようになって、めっきり字を書くこと、特に長い文章を書くことが少なくなった。そのせいかどうか、字を書いていても100字を越えたあたりからだんだんと字が汚くなり、誤字も多くなるといった症状が表れるようになってしまった。

そこで、少しでも悪筆を改善すべく美文字を”なぞる”という初歩的方法をやってみることにした。そのためのお手本として選んだのが『日本国憲法』。つまり、写経ならぬ”写憲”である。



ネットから拾ってきた憲法をモトヤフォントで配布されているモトヤ教科書体でプリントアウトしたものをお手本として利用した。無料のお試しバージョンなのでところどころ漢字が抜けているのはご愛嬌である。とりあえず、ずっと前に買ったまま使う機会を逸していた廉価万年筆の書き味チェックをかねて写憲してみた。

写憲で美文字

最初は、100円ショップで購入した、プラチナの使いきりタイプ万年筆型ペン「E-Pen」。鉄ペンなのに書き味はあくまでやわらかく、まるでプラスチックペンのよう。細字とあるが、線の太さは中字くらいで、画数の多い漢字はつぶれてしまいがち。しかし、スラスラと軽く書けるので写憲していてもあまりストレスは感じられない。インクカートリッジが使えないのは残念なところとはいえ、100円ならそれもいたしかたないのかも。

写憲で美文字

次に試したのは、パイロットの「書き方万年筆」。ペン先は極細で、親指と人差し指、中指でホールドする部分が三角になっているのが特徴。こちらはE-Penとは逆に鉄ペン特有のカリカリ感が強く、紙質があまり良くないこともあいまって引っかかる、引っかかる。特に、字をなぞることで普段とは違うところに余計な力がかかってしまうのも原因のひとつかもしれない。短い文量でもE-Penの倍くらい疲れました。

また、まだ少ししか写憲していないけれども、字をなぞるというのは意外に難しいことが分かった。ゆっくりと書けばいいのは分かっているけれども、そのゆっくり書くというのが難しい。日ごろ早口の人にゆっくりとしゃべりなさいと言うと逆に言葉が出てこないというのにもつながるものがあるのかもしれない。






posted by Biclix at 14:45 | Comment(1) | TrackBack(0) | 文房具(筆記具)
この記事へのコメント
連続でたびたびコメントしてしまい、失礼いたします‥。

こちらのブログを綴られていらっしゃる方の文章が、あまりに知的で、読みやすいためか、ついコメントに手が伸びてしまいます。

最近私も文章を写すものは気になっていて、写経キットを調べていたりもしたので、どんなご縁か‥とても興味深い記事でした。

文字を書くというものは、心なしか不思議なもので、どこかゆったりとした気持ちになりますよね。

私も自ら積極的に、「文字を書く」ことを意識して何か取り組みたいとは思うものの、経文を写すとなると‥少し遠い心持ちがしておりました。「写憲」なら、日常により近いものですので、教養を深めることにも繋がりそうで素敵ですね。

万年筆を使われていらっしゃるとのことですので、文字を大切になさっているのかな? 私の勝手な想像で申し訳ありませんが、ありきたりなインクペンではないところが、凝り性なのかしら‥等と勝手気ままな想像に至っておりました。(笑)失礼いたしました。

私は逆に、書くことに集中してしまって、どんどんマイペースにはまっていってしまいそうな予感がして‥どうしたものでしょうか。
万年筆は少し、高価な印象がありますが‥手に馴染んでくると、もうそれしか使えなくなってしまう。というお声もよく耳にします。筆圧などの書き癖に合わせて、使う手に馴染むペンなんて素敵ですね。


夏のむしむしとした熱帯夜にふと目が覚めてしまって、まどろんでいた時でしたが‥‥大変興味深いことでした。ひと時楽しんで文章を拝見しました、どうもありがとう。
長い文章になってしまって心苦しいばかりです。では。失礼いたします。
Posted by さくらいろ at 2013年08月07日 02:23
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